カオスとは何か

1960年頃に気象学者のローレンツは、大気の運動の方程式を研究しているうちに、その方程式が興味深い振る舞いをすることを見つけました。彼の導いた方程式の振る舞いをこのコンピューターを使って観察してみましょう。

下の黄色い四角の内側をマウスでクリックしてみてください:

軌跡(軌道)は、対流によって大気の速度と温度変化が振動する様子を表しています。

少し時間が経つと、画面にはの二本の軌跡が描かれていることに気がつきましたか?実は、このプログラムは初期条件をほんのわずかだけ変えた計算結果を同時に表示しているのです。

最初は赤と青と軌道はほとんど重なっているので、赤のほうしかみえませんが、ある時から軌道は離れ始め、しばらくすると、まったく関係なかったかのように振る舞います。

このように初期状態のほんのちょっとした違いによって、未来の振る舞いが予測不可能になってしまう、それがカオスです。つまり、大気の様子を測定する精度には限りがありますから、遠い将来のことは(原理的に)予測が難しいわけです。

軌道によって埋め尽くされている領域のことをアトラクターと呼んでおり、このアトラクターはフラクタルな構造をしていることが分かっています。カオス的な現象には、あちらこちらでフラクタルが顔を出します。

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© 2000 Yoshinori Hayakawa